この記事のポイント
豪ドル円の見通しを考えるうえでは、ドル円とは少し違う材料に目を向ける必要があります。オーストラリアは資源の輸出が多く、中国が最大の輸出先です。そのため豪ドルは、豪州準備銀行(RBA)の金融政策に加えて、資源価格と中国経済、そして世界の投資家のリスク姿勢の影響を受けやすい通貨とされています。この記事では、この3つの材料と、来週以降に予定されているイベントを整理します。
この記事について
来週の値動きを含め、価格の予想や目標値は掲載していません。数値はECB参照レートから算出した日次の参考値です。
「来週の豪ドル円」を知りたい方へ
「豪ドル円 見通し 来週」と検索される方は多いですが、1週間先の為替レートを当てることは誰にもできません。当サイトでは来週の予想レンジや予想値は出していません。そのかわり、来週を迎える前に確認しておきたいことは次の3つです。
- 直近1週間でどちらに動いたか:下の表で、豪ドル円と主要通貨の強弱を確認しましょう。
- 来週以降に予定されているイベント:日米の金融政策イベントは経済カレンダー、RBAの日程は後述のRBA公式サイトで確認できます。
- 材料の方向:RBA・資源と中国・リスク姿勢のどれが、豪ドル高と豪ドル安のどちらに働いているか。
直近1週間(2026年10月26日(月)→2026年11月2日(月)、5営業日)の豪ドル円は、110.60円から110.66円へ+0.06円(+0.06%)動きました。同じ期間の主要8通貨の強弱は次のとおりです(数値は他の7通貨に対する平均の変化率)。
-
1
CHF +0.84
-
2
GBP +0.54
-
3
CAD +0.38
-
4
EUR +0.22
-
5
USD −0.07
-
6
AUD −0.34
-
7
JPY −0.40
-
8
NZD −1.16
通貨強弱の見方は通貨強弱の見方で解説しています。AUDが上位でJPYが下位なら、豪ドル円は上がりやすい組み合わせです。
豪ドル円の直近の動き(1か月・3か月)
もう少し長い期間の動きも確認しておきましょう。プラスは豪ドル高・円安、マイナスは豪ドル安・円高の方向です。
最新の参考値(2026年11月2日(月))は 110.66円、前日比 +0.20円です。直近30日間の高値は 111.09円、安値は 109.17円でした。
| 期間 | 比較日 | 比較日の参考値 | 変化幅 | 変化率 | 方向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1か月 | 2026/10/5 | 110.13円 | +0.53円 | +0.48% | 円安・豪ドル高 |
| 3か月 | 2026/8/3 | 109.78円 | +0.88円 | +0.80% | 円安・豪ドル高 |
| 1年 | 2025/11/3 | 100.91円 | +9.75円 | +9.66% | 円安・豪ドル高 |
豪ドル円の直近3か月の推移(単位:円、営業日ベースの日次参考値)
出典:欧州中央銀行(ECB)ユーロ参照レート(2026年11月2日(月)分、中央ヨーロッパ時間16時ごろ公表の日次参照レートから算出)。リアルタイムの取引レートではありません。
豪ドル円の見通し:3つのシナリオの例
以下は、材料の組み合わせから想定される展開の例です。予想ではなく、価格の目標もありません。
円高
シナリオの例豪ドル円が下がりやすい展開の例
主な要因の例(価格の目標ではありません)
- 株安などでリスク回避が強まり、円が買われる
- 中国の景気減速で資源需要への懸念が高まる
- 豪州の物価が落ち着き、RBAが利下げに動く
横ばい
シナリオの例一定の幅で推移しやすい展開の例
主な要因の例(価格の目標ではありません)
- RBAと日銀がともに政策を据え置く
- 資源価格が大きく動かない
- 株式市場が落ち着き、リスク姿勢に変化が少ない
円安
シナリオの例豪ドル円が上がりやすい展開の例
主な要因の例(価格の目標ではありません)
- 世界的な株高でリスク選好が強まる
- 中国の需要回復で資源価格が上がる
- 豪州のインフレが根強く、RBAが金利を高めに保つ
豪ドル円を動かす3つの材料
1. RBA(豪州準備銀行)の金融政策
オーストラリアの政策金利(キャッシュレート)は、RBAの金融政策ボード(Monetary Policy Board)が決めます。RBAはインフレ率を2〜3%の範囲に保つことを目指しており、金融政策ボードの会合は年8回です。RBAの公表日程では、2026年の残りの会合は12月7〜8日と案内されています(2026年11月3日確認)。最新の日程はRBAの会合スケジュールで確認してください。
2. 資源輸出と中国経済
RBAの資料(2026年9月30日時点の最新データ)によると、オーストラリアの輸出の58.9%を資源が占め、輸出先の首位は中国(29.4%)です。このため、鉄鉱石などの資源価格や中国の景気指標が、豪ドルの材料として注目されやすくなります。中国の需要が強まるとの見方は豪ドル高、弱まるとの見方は豪ドル安につながりやすいと考えられます。
3. リスク選好・リスク回避
豪ドルは日本円より金利が高い通貨であることが多く、市場が楽観的なときは買われ、不安が高まると売られやすい傾向があります。逆に円はリスク回避の局面で買われやすいため、豪ドル円は世界の株式市場のムードを映しやすい通貨ペアといわれます。株と円の関係は円と株価の関係で解説しています。
見通しを考える主要な材料(チェックリスト)
- 豪日の金利差
RBAと日銀の政策金利の差。RBAの利下げや日銀の利上げで差が縮むと、豪ドル円は下がりやすくなります。
- 豪州のインフレ
2〜3%の目標範囲との距離。RBAが利下げ・据え置き・利上げのどれを選ぶかの前提です。
- 中国と資源価格
最大の輸出先である中国の景気指標と資源価格の動き。
- リスク姿勢
世界の株価や市場の不安感。リスク回避局面では豪ドル安・円高になりやすい傾向があります。
今後の主なイベント
日本と米国の金融政策イベントです。来週以降の予定を確認し、RBAの日程とあわせて把握しておきましょう。
- 2026年11月5日(木) 08:50・日本
日銀 金融政策決定会合「議事要旨」(9月会合分) - 2026年11月10日(火) 08:50・日本
日銀 金融政策決定会合「主な意見」(10月会合分) - 2026年12月10日(木) 04:00・米国
FOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利発表・経済見通し(SEP) - 2026年12月18日(金)・日本
日銀 金融政策決定会合 結果公表
日米の公式日程のみを掲載しています。RBAの日程は上記のRBA公式サイトをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
来週の豪ドル円はどうなりますか?
来週の値動きを予測することはできず、当サイトでは予想レンジや予想値は掲載していません。直近1週間の動き、来週以降のイベント、RBA・資源と中国・リスク姿勢の材料を確認しておくことをおすすめします。
豪ドル円は株価と関係がありますか?
豪ドルはリスク選好時に買われ、円はリスク回避時に買われやすい傾向があるため、豪ドル円は株式市場のムードを映しやすいといわれます。ただし、いつも同じように連動するわけではありません。
なぜ中国経済が豪ドルに影響するのですか?
RBAの資料では、オーストラリアの輸出の約6割が資源で、輸出先の首位は中国です。中国の需要や資源価格の見通しが変わると、オーストラリアの輸出と景気の見方が変わり、豪ドルの材料になります。
RBAの会合はいつありますか?
RBAの金融政策ボードは年8回会合を開きます。2026年の残りの会合は12月7〜8日です(RBA公式サイト、2026年11月3日確認)。
関連リンク
来月の豪ドル円を考える:2026年12月の材料
2026年11月3日時点での来月は2026年12月です。RBAの公表予定では、12月の金融政策理事会は7〜8日です。日程は変更される場合があるため、実際の発表前にRBAの公式カレンダーを再確認してください。
豪ドル高・円安の条件として観察すること
豪州の物価が予想より強い、RBAの政策の見方が引き締め寄りになる、資源需要やリスク選好が改善する場合などです。ただし日本側の金利・政策の変化もあるため、豪州の材料だけで方向は決まりません。
豪ドル安・円高の条件として観察すること
豪州の物価・雇用や中国の需要が弱い、RBAの見方が緩和寄りになる、世界的にリスクを減らす動きが強まる場合などです。すでに市場が想定していた内容なら、発表後の値動きが単純な説明と逆になることもあります。
横ばい・判断保留の条件
豪州と日本の材料が相殺される、イベントの結果が想定内に収まる、追加情報を待つ場合は方向が定まりにくくなります。来月の目標レートや確定的な売買方向は置かず、発表時刻、事前の見方、結果、発表後の値動きを分けて記録します。
本節は特定の日付に確認したシナリオ整理であり、実際にそう動くと予測した結果ではありません。参考:RBAの2026年会合予定。

