この記事のポイント
ウォン円は、日本では100ウォンあたり何円かで表示するのが一般的です。ウォン円の動きを見るときは、「ウォンが強くなったのか」「円が弱くなったのか」を分けて考えると理解しやすくなります。この記事では、ウォンと円をそれぞれ米ドルと比べて「円安・ウォン高はなぜ起きているのか」を実データで確認し、「ウォン安はどこまで耐えられるのか」という疑問の考え方、韓国銀行と日本銀行の政策を整理します。
この記事について
価格の予想や目標値は掲載していません。レートは100ウォンあたりの円で表示しています。
数値はECB参照レートから算出した日次の参考値です。
ウォン円の直近の動き(1か月・3か月)
100ウォンあたりの円が増えればウォン高・円安、減ればウォン安・円高です。旅行で韓国に行く方にとっては、数字が小さいほど円でウォンを多く買えることになります。
最新の参考値(2026年11月2日(月))は 11.758円(100ウォンあたり)、前日比 −0.019円です。直近30日間の高値は 11.910円、安値は 11.738円でした。
| 期間 | 比較日 | 比較日の参考値 | 変化幅 | 変化率 | 方向 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1か月 | 2026/10/5 | 11.773円 | −0.015円 | −0.13% | 円高・ウォン安 |
| 3か月 | 2026/8/3 | 10.979円 | +0.779円 | +7.09% | 円安・ウォン高 |
| 1年 | 2025/11/3 | 10.784円 | +0.974円 | +9.03% | 円安・ウォン高 |
ウォン円の直近3か月の推移(単位:円(100ウォンあたり)、営業日ベースの日次参考値)
出典:欧州中央銀行(ECB)ユーロ参照レート(2026年11月2日(月)分、中央ヨーロッパ時間16時ごろ公表の日次参照レートから算出)。リアルタイムの取引レートではありません。
円安・ウォン高はなぜ?現在の動きをドルで分解
ウォンと円の関係は、世界の基軸通貨である米ドルを基準にすると整理しやすくなります。そこで、ウォンと円がそれぞれドルに対してどれだけ強くなったか・弱くなったかを並べると、ウォン円の変化がウォン側の要因か、円側の要因かが見えてきます。
| 期間 | ウォンの対ドル | 円の対ドル | ウォン円 |
|---|---|---|---|
| 3か月 2026/8/3〜 |
+6.27% ウォン高 |
−0.77% 円安 |
+7.09% ウォン高 |
| 1年 2025/11/3〜 |
+6.49% ウォン高 |
−2.33% 円安 |
+9.03% ウォン高 |
「ウォンの対ドル」「円の対ドル」は、1ウォン・1円がドルで見て何%価値を変えたかを示します(プラス=その通貨が強くなった)。ウォン円の変化率は、おおよそ両者の差になります。
直近約3か月では、ウォンはドルに対して+6.27%(ウォン高)、円はドルに対して−0.77%(円安)でした。ウォン円の変化(+7.09%)は、主にウォン側の動きによるものといえます。このように、「円安・ウォン高の現在の状況」は、ドルを基準にして見ると原因を切り分けられます。
出典:欧州中央銀行(ECB)ユーロ参照レート(2026年11月2日(月)分、中央ヨーロッパ時間16時ごろ公表の日次参照レートから算出)。リアルタイムの取引レートではありません。
一般に、円安・ウォン高が起きやすいのは、韓国の金利が日本より高い状態が続く、韓国の輸出が好調でウォンの需要が増える、日本側で円を売る動きが強い、といった材料が重なるときです。反対に、世界的なリスク回避の局面では円が買われ、ウォンが売られやすい傾向があります。
ウォン円の見通し:3つのシナリオの例
以下は、材料の組み合わせから想定される展開の例です。予想ではなく、価格の目標もありません。
円高
シナリオの例ウォン安・円高になりやすい展開の例
主な要因の例(価格の目標ではありません)
- 世界的な株安でリスク回避が強まる
- 韓国の輸出が鈍り、ウォン需要が減る
- 日銀の利上げなどで円が全面的に買われる
横ばい
シナリオの例一定の幅で推移しやすい展開の例
主な要因の例(価格の目標ではありません)
- ウォンと円がドルに対して同じ方向に動く
- 韓国銀行・日銀ともに政策を据え置く
- 大きなリスクイベントがない
円安
シナリオの例ウォン高・円安になりやすい展開の例
主な要因の例(価格の目標ではありません)
- 韓国の輸出が好調でウォンが買われる
- 韓国と日本の金利差が大きいまま続く
- リスク選好の局面で円が売られる
ウォン安はどこまで耐えられる?
「ウォン安はどこまで耐えられるのか」という問いに、決まった水準(防衛ライン)はありません。通貨安への耐性は、次のような要素の組み合わせで決まると考えられています。
- 外貨準備:通貨当局が急激な変動を和らげるために使える外貨の量。外貨準備の役割は外貨準備高とはで解説しています。
- 経常収支:貿易や投資収益で外貨を稼げているかどうか。黒字が続くほど通貨安圧力を吸収しやすくなります。
- 物価への影響:通貨安は輸入品の価格を押し上げます。物価が上がりすぎると、中央銀行は利下げしにくくなります。
- 海外からの資金の流れ:海外投資家が韓国の株式や債券を売ると、ウォン売りにつながります。
ウォン安が日本の個人に与える影響は、立場によって異なります。韓国へ旅行する人やウォン建ての商品を買う人にとっては有利で、ウォン建ての資産を持つ人にとっては円換算の価値が下がります。
韓国銀行と日本銀行の金融政策
韓国銀行(BOK)
- 政策金利:基準金利(Base Rate)
- 決定:金融通貨委員会(Monetary Policy Board)が年8回
- 注目:物価と景気、為替の動き
日本銀行
- 目標:消費者物価の前年比2%
- 決定:金融政策決定会合
- 注目:賃金と物価、利上げのペース
韓国銀行の基準金利の推移と最新の決定は、韓国銀行の公式サイトで確認できます。当サイトの経済カレンダーは日米の日程のみ掲載しています。
見通しを考える主要な材料(チェックリスト)
- 韓日の金利差
韓国銀行と日銀の政策金利の差。差が縮むとウォン安・円高方向に働きやすくなります。
- 韓国の物価と輸出
物価は韓国銀行の判断材料に、輸出の好不調はウォン需要に直結します。
- ドルの強さ
ウォンも円もドルの動きに左右されます。ドル円とあわせて確認しましょう。
- リスク姿勢
世界の株式市場の不安が高まると、ウォン安・円高になりやすい傾向があります。
今後の主なイベント
日銀の決定会合はウォン円の円側に、米国のFOMCはドルを通じてウォンと円の両方に影響します。
- 2026年11月5日(木) 08:50・日本
日銀 金融政策決定会合「議事要旨」(9月会合分) - 2026年11月10日(火) 08:50・日本
日銀 金融政策決定会合「主な意見」(10月会合分) - 2026年12月10日(木) 04:00・米国
FOMC(米連邦公開市場委員会)政策金利発表・経済見通し(SEP) - 2026年12月18日(金)・日本
日銀 金融政策決定会合 結果公表
よくある質問(FAQ)
円安なのにウォン高なのはなぜですか?
円がドルに対して弱くなる一方、ウォンがドルに対して強くなっている(または円ほど弱くなっていない)ためです。本ページの表で、ウォンと円それぞれの対ドルの変化を確認できます。
ウォン安はどこまで進みますか?
到達する水準を予測することはできず、当サイトでは予想していません。外貨準備や経常収支、物価、海外からの資金の流れなどの材料を確認することが、状況を判断する手がかりになります。
ウォン円はなぜ100ウォンあたりで表示するのですか?
1ウォンあたりの円は小さな数字になるため、日本の銀行や報道では100ウォンあたりの円で表示するのが一般的です。当サイトもこの表示に合わせています。
韓国旅行の両替はいつがよいですか?
相場の底を当てるのは難しいため、必要な分を分けて両替する方法もあります。実際の両替レートには手数料が含まれる点にも注意しましょう。詳しくは両替のタイミングの考え方をご覧ください。

