資本市場線と証券市場線は、リスクと期待収益率の関係を異なる尺度で整理する考え方です。価格チャートに引く支持線とは別の理論であり、前提条件と横軸の違いから理解します。
資本市場線(CML)の横軸は総リスク
資本市場線は、無リスク資産と市場ポートフォリオの組み合わせを前提に、期待収益率と標準偏差で表すリスクの関係を示します。標準偏差は値のばらつきを表す尺度です。理論上の効率的な組み合わせを扱い、すべての個別株が同じ直線上に並ぶという意味ではありません。
証券市場線(SML)の横軸はベータ
証券市場線はCAPMに基づき、期待収益率と市場に対するベータの関係を表します。基本形は、期待収益率=無リスク利子率+ベータ×市場リスクプレミアムです。総リスクを表す標準偏差を、そのままベータへ置き換えることはできません。
仮定した数値の計算例
計算例:無リスク利子率を2%、市場の期待収益率を7%、ベータを1.2と仮定すると、CAPM上の期待収益率は2%+1.2×(7%−2%)=8%です。これらは説明用の仮定で、現在の金利や特定銘柄の利回り、実際に得られる利益を示していません。
理論と実際の売買判断を分ける
期待収益率やベータの推定方法、対象期間、市場の定義によって結果が変わります。理論の線より上・下にあるように見えても、将来の値上がりや割安を確定できるわけではありません。手数料、税、流動性、モデルの前提も確認します。
企業の利益・資産との比較、保有量と損失の管理は別の観点として併せて学べます。

