MT4(MetaTrader 4)には、標準では通貨強弱を表示する機能がありません。MT4で通貨強弱を確認するには、通貨強弱を計算する「カスタムインジケーター」を導入する必要があります。この記事では、MetaQuotes社の公式ヘルプをもとに、カスタムインジケーターを入れてチャートに表示するまでの一般的な手順と、安全に使うための注意点を解説します。
特定のインジケーターを紹介・推奨するものではありません。メニュー名は言語設定やバージョンによって表記が異なる場合があります。
MT4で通貨強弱を見る仕組み
MT4のインジケーターは、プログラムのファイルとして提供されます。拡張子が.mq4のものはソースコード、.ex4のものはコンパイル済みの実行ファイルです。MT4のナビゲーターに表示されるのは実行可能な.ex4ファイルで、ソースコード(.mq4)はMT4付属のMetaEditorでコンパイルすると使えるようになります。
通貨強弱インジケーターは、チャートに表示している通貨ペア以外にも、複数の通貨ペアの価格を読み込んで計算します。そのため、計算に使う通貨ペアの価格データがMT4内にそろっていることが前提になります。
.mq4
ソースコード。中身を読んで計算方法を確認できます。MetaEditorでコンパイルして使います。
.ex4
コンパイル済みの実行ファイル。中身を読むことはできず、計算方法は配布元の説明に頼ることになります。
MT4にカスタムインジケーターを導入する手順
MT4(ビルド600以降)では、インジケーターなどのユーザーデータは「データフォルダ」と呼ばれる専用のフォルダに保存されます。カスタムインジケーターの置き場所は、データフォルダ内のMQL4\Indicatorsです。
1データフォルダを開く
「ファイル」メニューの「データフォルダを開く」(File → Open Data Folder)を選びます。
2ファイルを置く
「MQL4」→「Indicators」フォルダにインジケーターのファイルをコピーします。
3一覧を更新する
ナビゲーター(Ctrl+N)のカスタムインディケータを右クリックして「更新」、またはMT4を再起動します。
4チャートに追加
ナビゲーターのインジケーターをダブルクリック、またはチャートへドラッグ&ドロップします。
公式ヘルプによると、ナビゲーターの「更新(Refresh)」は、ハードディスク上のコンパイル済みインジケーターの情報を読み直すコマンドで、コンパイル済みファイルをフォルダにコピーした後に必要になります。ナビゲーターは「表示」メニューからも開けます。
パラメーターの設定と表示の調整
インジケーターをチャートに追加すると、設定画面が開きます。主なタブは次のとおりです。
- パラメーターの入力(Inputs)
- インジケーターの外部変数(計算期間、対象通貨など)を変更します。値をダブルクリックして入力します。どの項目があるかはインジケーターごとに異なります。
- 色の設定(Colors)
- 線の色・太さ・スタイルを変更します。通貨ごとの線を見分けやすい色にしておくと便利です。
- 表示選択(Visualization)
- インジケーターを表示する時間足を限定できます。
通貨強弱は時間足によって結果が変わります。短い時間足では直近の動き、長い時間足では大きな流れが反映されやすくなるため、複数の時間足で見比べるのが基本です。読み方は通貨強弱の見方で詳しく解説しています。
表示されないときの確認ポイント
- 置き場所:インストールフォルダではなく、「データフォルダを開く」で開いたフォルダの
MQL4\Indicatorsに置いたか。 - 一覧の更新:ナビゲーターで「更新」を実行したか、MT4を再起動したか。
- ファイルの種類:
.mq4だけの場合、コンパイルできているか。コンパイルできないプログラムは、ナビゲーター上でアイコンの表示が変わります。 - 通貨ペア名:業者によって通貨ペアの名前(末尾の記号など)が異なることがあります。インジケーターが参照する名前と、気配値表示の名前が一致しているか。
- 価格データ:計算に使う通貨ペアの履歴データが読み込まれているか。気配値表示に必要な通貨ペアを表示し、チャートを一度開いておくと解決することがあります。
- エラー:「ターミナル」ウィンドウの「エキスパート」「操作履歴」タブにエラーが出ていないか。
インジケーターファイルを使うときの安全面の注意
出どころのわからない.ex4ファイルに注意
.ex4ファイルは中身を確認できないため、表示された計算方法と実際の処理が同じかどうかを利用者が検証できません。次の点を必ず確認しましょう。
- 配布元が明らかで、連絡先や利用条件が示されているか。掲示板やSNSで出回っている出どころ不明のファイルは使わない。
- ソースコード(
.mq4)が公開されているものは、内容を確認してから自分でコンパイルする。 - インジケーターの設定で「DLLの使用を許可する」を求められた場合は、その理由を確認し、不明なら許可しない。
- まずはデモ口座で動作を確認する。
- 「必ず勝てる」などの宣伝文句には注意する。通貨強弱は過去の値動きを整理したもので、将来の値動きを保証しません。
通貨強弱を自分で計算する考え方
インジケーターを入れなくても、通貨強弱の考え方は自分で再現できます。基本は「ある通貨が、他の通貨に対して一定期間にどれだけ変化したかの平均」です。
通貨Aの強さ =(A/B、A/C、A/D…の変化率の合計)÷ 比較した通貨の数
たとえば米ドル(USD)を、ユーロ・円・ポンドの3通貨と比べる場合の計算例です(数値は説明用の例です)。
| 通貨ペア(USD側から見た値) | 期間中の変化率 |
|---|---|
| USD/EUR | +0.6% |
| USD/JPY | +0.9% |
| USD/GBP | −0.3% |
| 平均(USDの強さ) | +0.4% |
計算例:(0.6+0.9−0.3)÷ 3 = 0.4。EUR/USDのように相手通貨が先に来るペアは、変化率の符号を反対にしてUSD側から見た値に直します。
MQL4では、iClose(symbol, timeframe, shift)関数で、表示中のチャートとは別の通貨ペアの終値を取得できます。これを使えば、各通貨ペアの「現在の終値」と「n本前の終値」から変化率を求め、通貨ごとに平均する、という形でインジケーターを組み立てられます。公式リファレンスによると、ローカルの履歴データが読み込まれていない場合、この関数は0を返すため、0のときは計算しない処理を入れておくのが安全です。
当サイトの通貨強弱チャートも同じ考え方で、8通貨それぞれについて他の7通貨に対する変化率(対数)の平均を計算しています(ECBの日次参照レートを使用)。MT4で計算した結果と大きく食い違う場合は、計算期間や対象通貨の違いを確認すると原因を見つけやすくなります。
よくある質問(FAQ)
MT4には標準で通貨強弱を表示する機能がありますか?
標準のインジケーター一覧には、通貨強弱を表示するものは含まれていません。通貨強弱を表示するには、カスタムインジケーターを導入するか、自分で作成する必要があります。
インジケーターを入れたのにナビゲーターに表示されません。
ファイルがデータフォルダ内の「MQL4\Indicators」にあるかを確認し、ナビゲーターのカスタムインディケータで「更新」を実行するか、MT4を再起動してください。ナビゲーターに表示されるのはコンパイル済みの.ex4ファイルです。
スマホ版のMT4でも通貨強弱インジケーターは使えますか?
カスタムインジケーターの導入手順は、PC版のデータフォルダにファイルを置く方法を前提としています。スマホで通貨強弱を確認する方法は通貨強弱アプリの選び方で解説しています。
MT4とTradingViewのどちらがよいですか?
普段使っている環境で選ぶのが基本です。MT4は業者の価格データを使ってチャート上に表示でき、TradingViewはブラウザからスクリプトを追加・作成できます。違いは通貨強弱インジケーターの比較をご覧ください。

